「ダブルインバース」という投資商品聞いたことありますか?簡単にいうと日経平均株価の値下がりすると株価が値上がりするちょっと変わったETFです。
有名なものだとNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)ですがいったいどんな投資対象なのでしょうか。
使い方を間違えると大きく資産を減らすことになるので注意点をご紹介します。
日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)とは
日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357) | |
愛称 | NF・日経ダンブルインバETF |
日経が上がったら | 下落する |
説明 | 日経平均ダブルインバース・インデックスを対象指数とし、対象指数に連動する投資成果を目指す。 |
現在値 | 147円(令和6年、4月5日現在) |
純資産総額 | 1427.8億円 |
日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)は日経平均が上がると株価は下落し、日経平均が下がると株価が上昇するという日経平均とはシーソー関係にあるETFです。
さらに、連動指数は日経平均株価の変動率のマイナス2倍となるように計算された指数です。例えば、日経平均株価が3%下落すれば、このETFは6%上昇するように運用されます。
現在地は147円と大変お求めやすい価格である一方、色々リスクが潜んでいるので簡単に確認します。
注意点①長期保有するとパフォーマンスは低下する
ダブルインバースETFを購入する上で必ず知っておくべきことは、ダブルインバースはあくまで短期的な運用に向いているということです。
上図は日経平均株価と日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信を重ね合わせたもので、見ていただくとわかるように、経時的に日経平均株価と日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信のパフォーマンスは乖離していることがわかります。
これは日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信の目論見書でもかるく説明されています。
あくまでダブルインバース系ETFは短期向けの投資対象であるということは、投資する上で知っておく必要があります。
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
注意② 取引は超短期にとどめる必要がある
ダブルインバースETFは短期向けに向いていると説明しました。しかし、短期の株価変動を推測することは極めて困難を極めます。株価を読むことができれば今頃お金持ちが大量生産されていることでしょう。
ダブルインバースETFは長期を前提としたインデックス投資とは異なり、いつか売らないと資産の足を引っ張ることになります。
日経平均が下がる可能性が大いにあるようなファンダメンタルズ要素が出てきたなら検討の余地があるかもしれませんが、その場合でも長期的な保有は控えて、さっさと利確(or 損切り)してしまう必要があります。
注意点③ 意外と儲かりにくい(自論です)
インバースETFは入金力がないと儲かりにくいと思います。
例えば、日経平均株価が40000円の時に、10%下落するには4000円下落するということになります。先ほど、ダブルインバースETFは2日目以降は―2倍とはならないとの資料をお示ししました。
4000円一気に下落するタイミングってそうそう訪れないのではないかな?と思います。長期で見れば下落する可能性は大いにありますが、そこまでダブルインバースETFを保有しておくというのはかなりリスキーです。
ですので、ダブルインバースETFはある程度資金があって日経平均株価が下落する可能性が高いファンダメンタルズ要素があり、超短期で売買できる方向けのかなり人を選ぶ投資対象なのではないでしょうか。使うとしても、資金力ある投資家のリスクヘッジ要員なのかなぁと・・・。
まとめ
私は、ダブルインバースETFの恩恵を受けれるほどの資金力は持ち合わせていないので投資対象にならないかなぁという印象です。
あくまで資金力がある方が前提の投資対象なんだろうと思います。ダブルインバースETFに限らず、他のインバース系ETFでも同様だと思います。
それであれば、保有株を買い増しするなり、リスクヘッジとして債券を購入するなり他にも代替案はあると思いますので、インバース系ETFは自身のリスク許容度・資産と相談して検討してくださいね。