NISAでどの投資信託に投資をするか決めてコツコツ投資でお金を増やし…その後の取り崩し方法について、皆さんは考えてますでしょうか。
今回は、インデックス投資の出口戦略を有名な「4%ルール」を基にご紹介します。
インデックス投資の取り崩しで有名な「4%ルール」
インデックスファンドの取り崩し方法で「4%ルール」と呼ばれる有名な方法があります。
この戦略は言葉の通りインデックスファンドを4%ずつ取り崩していくという方法ですが、さらに「定額で崩す」か「定率で崩す」で手段が分かれます。
- 退職後の資産残高×4%を定額で崩し続ける
- 毎年の資産残高×4%を定率で崩し続ける
①退職後の資産残高×4%を定額で崩し続ける
まずは、退職後の資産残高を基準として毎年4%ずつ取り崩すという方法です。
(例)定年退職後5000万円の資産を築けたと仮定
・1年目の取り崩し額:5000万円×4%=200万円
・2年目の取り崩し額:5000万円×4%=200万円
・3年目以降の取り崩し額:ずっと同じ
4%で定額で取り崩す方法を裏付ける理論がある
この4%ずつ取り崩すという方法は米国トリニティ大学の研究論文「Trinity Study(トリニティ・スタディ)」に基づいて裏付けされています。
この研究は、株式と債券の比率を数パターン検討して、資産を3~10%ずつ取り崩したとき、資産がどのくらい残るかというシュミレーションです。
論文はインターネットで閲覧できますが、すべて英語ですので、自信ある方は是非・・・
2018年版の最新論文はこちら
『The Trinity Study And Portfolio Success Rates (Updated To 2018)』
結論だけご紹介すると
The Trinity Study Updated for 2018
- 株式100%:債券0%で4%ずつ取り崩し(30年):資産残る確率94%
- 株式50%:債券50%で4%ずつ取り崩し(30年):資産残る確率100%
- 株式0%:債券100%で4%ずつ取り崩し:(30年)資産残る確率44%
例として株式100%の時のデータを引用いたしました。
毎年3%ずつ取り崩した場合・・・40年後も資産が尽きることはありません(株式25%:債券75%にした場合40年後に初めて98%の確率でお金が尽きないというデータがあります)
そして資産株式100%で毎年4%ずつ取り崩した場合ですが、30年後94%の確率で資金は底をつかないという結果が出ています。
論文にデータは掲載されていますが、株式50%:債券50%で毎年4%ずつ取り崩した場合、100%の確率で資金は底をつかないという結果が出ています。
このことから、「4%ルール」と呼ばれる戦略が有名となったわけですね。
②毎年の資産残高×4%を定率で崩し続ける
続いて、毎年の資産残高を4%ずつ定率で崩し続けるパターンです。
①の定額で取り崩す時とは根拠が異なります。この手法は3つの前提があります。
- 株式のリターン:平均7%
- 債券のリターン:平均4%
- インフレ率:1.5%
資産が株式50%:債券50%であると仮定すると、全体のリターンは平均5.5%。そこにインフレ率を考慮すると4%のリターンが期待できる。
ウォール街のランダムウォーカー
投資家界隈では有名な書籍ですね^^
(例)定年退職後5000万円の資産を築けたと仮定
・1年目の取り崩し額(年リターンは4%):5000万円×4%=200万円取り崩す
・2年目の取り崩し額(年リターンは4%):5000万円×4%=200万円取り崩す
・3年目以降の取り崩し額:ずっと同じ
つまり、4%ずつ資産を取り崩しても、資産は減らないよっていう理論ですね^^
今回は書籍通りのシュミレーションでしたが、インフレ率や、リターンのシュミレーションを自由自在に変更するすることで、自分の希望に応じた取り崩し計画を組み立てることが可能です。
まとめ
投資というといかに資産を築くかを考える方へ話が行きがちですが、貯めたお金は最終的に使わないと意味がありません。
人間はお金が減ると少なくともストレスを感じます。いざ使うときの為に迷わないために今のうちに資産の崩し方を検討しておくのはいかがでしょうか。